クールな彼の溺愛注意報




「行きたい、けど……今日は拓海くんが帰ってくるんだ」


「あ、そうなの?」


「うん。きっと柊木くんのこといろいろ聞かれるんだろうなぁ」




こまったように笑うみゆきに、あたしも苦笑を返した。



そっか。

拓海くん、帰ってくるんだ。


なんだかいつも予定が合わないなぁ。



と言っても同居してる人がいるから、あわせることもできないんだけどね。




「あ。二宮くんにLINEしなくちゃ」




するべきことを思い出し、みゆきと教室に入ってスマホを取り出した。



えーっと、買ってもらうハンバーグの材料と……。

今日は図書委員の仕事で遅くなりそうです、とメッセージを送った。



っていうか、柊木くんが来るのに、放課後に用事をつくって悪かったなぁ。


二宮くんはきっと、気にしなくていいってツンとした表情で言うだろうけどね。



まあ、これはちゃんとした図書委員の仕事だし。

はやく終わらせて、すぐに帰ろう。




 *

 ・

 +

 ・

 
< 153 / 371 >

この作品をシェア

pagetop