クールな彼の溺愛注意報
「行きたい、けど……今日は拓海くんが帰ってくるんだ」
「あ、そうなの?」
「うん。きっと柊木くんのこといろいろ聞かれるんだろうなぁ」
こまったように笑うみゆきに、あたしも苦笑を返した。
そっか。
拓海くん、帰ってくるんだ。
なんだかいつも予定が合わないなぁ。
と言っても同居してる人がいるから、あわせることもできないんだけどね。
「あ。二宮くんにLINEしなくちゃ」
するべきことを思い出し、みゆきと教室に入ってスマホを取り出した。
えーっと、買ってもらうハンバーグの材料と……。
今日は図書委員の仕事で遅くなりそうです、とメッセージを送った。
っていうか、柊木くんが来るのに、放課後に用事をつくって悪かったなぁ。
二宮くんはきっと、気にしなくていいってツンとした表情で言うだろうけどね。
まあ、これはちゃんとした図書委員の仕事だし。
はやく終わらせて、すぐに帰ろう。
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