クールな彼の溺愛注意報
「……っ」
思考と息が止まる。
今度こそなにが起こったのか、ほんの数秒じゃ理解することができなくて。
それをキスだとはっきり認識する前に、触れただけのそれは、ゆっくりと離れていった。
あたしの唇に、甘い熱と感触だけを残して。
けれどそれだけでは終わらず、二宮くんの唇はむきだしの首筋に伝った。
「……んっ!」
反射的にこぼれた声に、体じゅうが急激に熱を帯びる。
抵抗しなくちゃって頭では思ってるのに、まったく体に力が入らない。
首筋に、ちくりと小さな痛みが走った。
勝手にびくっと肩が跳ねて、息が漏れる。
「っ、やだ……二宮くんっ」