クールな彼の溺愛注意報
心拍数の加速も限界をこえて、あたしは声をふりしぼって懇願した。
声が届いたようで、二宮くんは唇を離して、あたしを見つめる。
その表情は切なさを思わせ……
……っていうより、眠そう?
「に……二宮くん……?」
あたしをとらえたままの二宮くんの瞳が、ゆっくりと閉じられていく。
やっぱりまつげすごく長いなぁ……じゃなくて!
眠気に負けた二宮くんがふらっと倒れこんでくる直前に、あたしは間一髪でソファーから抜け出した。
ぺたんとカーペットに座り込み、また眠ってしまった二宮くんを見あげる。
あっ……危なかった!
あのまま倒れこんでこられたら、どきどきどころか心臓が爆発するって……!
胸に手をあてて、あたしは乱れた息を繰り返した。
しだいに息が落ち着いてきて、脳内が冷静を取りもどす。