クールな彼の溺愛注意報
だめだめ! もう考えちゃだめだ!
忘れ……るのは絶対に無理だけど、これ以上はもう考えない!
「そうだ。ご飯つくらなくちゃっ」
壁にかかった時計を見上げると、時針は18時すぎを示していた。
リビングのクローゼットから、薄手の毛布を取り出し、二宮くんの体にそっとかける。
部屋で制服を着替えたあたしは、髪を結びなおしながらキッチンに入った。
そこで、ふと思い返す。
あのとき、首筋に走った小さな痛み。
そこを触ったとたん、二宮くんの唇が触れた感触を思い出してしまい、
あたしはあわててぶんぶんと首を振った。
頭の中によみがえってくる、さきほどのできごとを必死にかき消す。
けれどハンバーグをつくっているときも、なかなか脳内から消えてはくれなくて。
あやうく、ハンバーグを焦がすところだった。
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