クールな彼の溺愛注意報
リビングの電気をつけて、自分の部屋に上がる。
制服からルームウェアに着替え終えてから、部屋を出て階段を降りる、その途中で。
がちゃっ、と玄関のドアが開いて、二宮くんが帰ってきたのが見えた。
顔をあげた二宮くんともろに目が合い、あたしはどきっとしてつい足を止める。
「お、おかえりっ」
自然を意識したけど、やっぱりちょっときごちない笑顔になった。
二宮くんもあたしから視線をそらして、「ただいま」と小さく返してくれる。
うわー、気まずい……!
「ええっと……いまからご飯つくるねっ」
なぜかあわてて階段を下り、リビングのドアを開けるあたし。
それを二宮くんが「羽山」と呼び止めるから、動けなくなった。
「な、なに?」
そばに二宮くんがいるのを感じつつ、あたしは振り向けずにたずねかける。
そのときそっと、手をつかまれた。