クールな彼の溺愛注意報
「……ごめん」
その少し沈んだ声を聞いただけで、本当に落ち込んでるんだってわかった。
不謹慎だけど……なんだかそのことが、うれしく思えてしまった。
あたしのことで、二宮くんの表情や感情が動くことが、うれしい。
ゆっくりと振り返ってみたら、少し不安げな瞳があたしを見ていた。
か……かわいい。
「あたしも……今朝はあんなふうに言っちゃって、ごめんね。
二宮くん、昨日のこと、思い出したの?」
「思い出したっていうか、ちゃんと覚えてたけど……。
羽山がいつもどおりだったから、ただの夢かと思って」
あ……。
だから今朝、二宮くんはあたしを見てほっとしてたんだ。
二宮くんはうつむきがちに、「ほんとにごめん」とまた謝罪を繰り返した。
ああもう……そんなに反省されたらゆるすしかなくなるじゃん。
それに本当のことを言うと、
あのときあたし……いやだって気持ちはまったくなかったんだ。
ただびっくりして、どきどきして。
そして忘れてるような反応を見せた二宮くんに、すごくショックを受けた。