クールな彼の溺愛注意報
キスされたことより、好きだって言われたことより。
それを知らないって顔されるほうが……あたしにとっては何倍も衝撃だったんだよ。
「昨日……。二宮くんがあたしに言ったことって、ほんと?」
慎重な声でたずねたあたしに、二宮くんは少しだまりこんだ。
昨日のことを覚えてるなら、あたしがなんのことを言っているかわかるはずだ。
あたしはふだんの二宮くんから……その言葉がほしい。
心臓の音が大きく鳴りはじめて、つかまれた手に汗をかきそうだった。
沈黙のあと、二宮くんはうつむきがちにうなずいた。
「嘘じゃ、ない」
その答えに、心臓がきゅ、と締めつけられる。
うつむいて見えない二宮くんの表情が、とても知りたいと思った。
「……ち、中学のときから、って聞いたんだけど。それも……」
「ちがう」
そう首を振って顔を上げた二宮くんはやっぱり少し赤くて、
でもあたしを、まっすぐに見つめた。
「中学のときからなんかじゃない」
「え……」
「ずっと……好き、だった」