クールな彼の溺愛注意報
ん?
どうしたんだろう……。
なにか考え込むように、立ち止まったままの二宮くん。
不思議に思っていると、二宮くんはこちらを振り返った。
「……あのさ、」
「ん?」
「俺、昨日……羽山のことなんて呼んだ?」
一瞬きょとんとしたけれど、あたしはすぐに昨日のことを思い出して納得した。
唇が触れ合う直前。
二宮くんは、あのときはじめてあたしの名前を呼んだ。
「紫乃って、呼んでた」
「……そのあとは?」
「え?」
「紫乃、のあとになんか、言ってなかった……?」