クールな彼の溺愛注意報
思いきりスライドすると、ばんっと大きく音を立てて全開になるドア。
「みゆき! 無事!?」
あたしの声に、中にいたふたりはおどろいてこちらに顔を向けた。
さっきの声の主である男子生徒は、見るからにか弱い女の子の体を、無理やり黒板に押し付けた状態。
両手を拘束されて身動きがとれない涙目の女の子は、あたしを見てほっとした表情になった。
「し、紫乃(しの)ちゃん……っ」
弱々しくあたしの名前を呼ぶ、大事な親友。
彼女を危険な目に遭わせた男子生徒を強くにらみつけると、
彼はひるんだように、ぱっとみゆきの両手を解放した。