クールな彼の溺愛注意報
「そもそも、なんで二宮くんだって言ってくれなかったの……!」
「だってあらかじめ言ってたら、受け入れてくれなかっただろうし」
「こんな直前でも受け入れられないよ!」
こんな話、絶対に受け入れちゃだめだ。
あんな有名な人と同居なんてできるわけがない。
あたしの家じゃなくても、二宮くんが相手なら大半の女の子が歓迎するに決まってるのに!
……あれ?
そういえば、二宮くんって、
極度の女嫌いっていううわさなかったっけ……?
ふと思い出して頭の上にクエスチョンマークが浮かんだけど、いまはそんなことどうでもいい。
一縷の望みにかけてお母さんにふたたび抗議しようとしたとき、リビングのドアが開かれた。
「ああ、紫乃ちゃん。おかえり」