クールな彼の溺愛注意報
「あのときのこと、言いすぎたって柊木くんが言ってたよ。ごめんねって」
「柊木くんが……」
みゆきの想い人からの伝言を伝えると、みゆきは切なそうにその名前をつぶやいた。
唇を噛んで、みゆきがうつむく。
けれど、すぐにぱっと顔をあげた。
「ありがとう、紫乃ちゃん」
みゆきは笑って、お礼を言った。
元気はない。
でも無理をしてる笑顔ではなかったから、あたしも笑い返した。
いますぐなんて言わないけど……元気になってくれたらいいな。
あれから柊木くんとは会っていない。
クラスもちがうし、なかなか顔をあわせることがないのは、よかったかもしれない。
柊木くんは、いままでどおり過ごしてるのかな。
少しも、みゆきのことは考えてないのかな。
みゆきのこと、『かわいい』って、言ってたくせに……。
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