クールな彼の溺愛注意報




「はやく入ろ。今日は買いものとか行かねーよな」


「あ、う、うん」




葵衣ががちゃっとドアを開けてくれて、あたしを中へとうながす。


玄関に上がってからなにげなく振り返ると、葵衣は家の外をじっと見つめていた。



どうか、したの?

なにを見てるの……?



そう問いかけようとしたとき、葵衣がこちらを見たから、あわてて靴を脱いだ。



なんだろう。

なんだか……みょうに胸さわぎがする。




『危険な目に遭うかもしれない』


『もしものことがあったとき……』




なぜかふいに拓海くんの言葉が、脳裏をかすめていった。



……そんなはず、ない。


あたしは軽く頭をふって、拓海くんの言葉を否定した。





 *

 ・

 +

 ・

 
< 245 / 371 >

この作品をシェア

pagetop