クールな彼の溺愛注意報

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放課後。


いつもは拓海くんと合流したら3人ですぐに帰るけれど、

今日は正門でふたりを引き止めた。



理由は、お昼休みに『放課後、正門で待ってて』と葵衣から電話があったから。




「二宮葵衣が?」


「うん。なんか、拓海くんに話があるんだって」


「は? 俺に……?」




拓海くんが眉根を寄せる。

あたしも電話で聞いたときはびっくりしたけど……話ってなんなんだろう。



まさか、けんかするつもりじゃないよね!?




「紫乃」




最悪の状況を想像していたら、ふいに葵衣の声がかかった。


葵衣のほうを振り返って、

そのとなりに柊木くんの姿がないことに気づく。



ちらりとみゆきを横目で見ると、みゆきは安心とさみしさがまじったような表情だった。



 
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