クールな彼の溺愛注意報
それから夕食を終えて、はやめにお風呂に入らせてもらった。
自分の家とはちがうシャンプーのにおい。
思ったとおり、拓海くんのジャージはぶかぶかだった。
「……ああ」
タオルを頭にかぶせたまま廊下を歩いていると、
みゆきのとなりの部屋から、かすかに拓海くんの声が聞こえてきた。
たしかこの部屋は、お客さん用の和室だったはず。
「紫乃のことは、心配しなくていい」
ふいうちであたしの名前が出て、どきっと肩が跳ねた。
拓海くんの声しか聞こえないし……もしかして、葵衣と電話してる?
みゆきの部屋へ向かっていた足が、ぴたりとその場で止まった。
「ま、俺にとっては好都合だけどな。はやく見つけ出せよ。
紫乃はおまえと離れてすげーさみしがってるから」
なっ……!
拓海くん、なんの話してるの!?