クールな彼の溺愛注意報
お母さんと二宮さんは夕食を終えると、すぐに家をあとにした。
空港の近くのホテルに泊まるので、家にはあたしと二宮くんのふたりだけしかいない。
まだ不安ばかりだけど、もう引き返すことなんてできないし。
しょうがない、よね……。
お母さんの言葉を自分に言い聞かせて、
お風呂そうじを終えたあたしは、二宮くんの部屋のドアをノックしようと手の甲をかかげた。
「にの……」
「わかってる。子ども扱いすんな」
名前を呼ぼうとしたところで、中から二宮くんの声が聞こえてきた。
電話してるみたいだ。
相手は……二宮さんかな。
ノックしようとした手をおろし、すぐに終わるかなと思ったとき。
「っ、黙れ」
そんな声が聞こえたかと思うと、がちゃっと内側から部屋のドアが開いた。