クールな彼の溺愛注意報
「でも……こういうことがもう起こらないって、保証できない」
真剣みを帯びた言葉に、目を見開いた。
葵衣に触れる手が、ゆっくりと体温を下げていく。
また危険な目に遭うかもしれないという暗示。
そのことに、怖くなったわけじゃない。
葵衣がそのせいでまた離れてしまうかもしれない。
それがいちばん、怖かった。
「だから……」
葵衣はそうつづけて、あたしから手を離した。
あたしの体を自分のほうへ向けさせて、まっすぐにあたしを見つめる。
これから葵衣が口にする言葉が怖くて、ぎゅっと目を閉じた。
けれど。
「だから、もう絶対……俺から離れないで」
耳に届いた声は、予想と反して、とてもあたたかかった。