クールな彼の溺愛注意報
「心がせまいから。……病院、明日も行くよな」
葵衣は心せまくないと思うけど……。
家事を引き受けてくれて、夕食だって代わりにつくってくれたし。
しかもすっごくおいしかったし。
本当にとんでもないハイスペック男子だと感心しながら、あたしは葵衣の問いかけにうなずいた。
「学校から直接?」
「そうなるかな。もう拓海くんにお世話になるわけにはいかないから、ひとりで行くけどね」
「なら俺も行く」
「えっ……そんなのいいよ。悪いし」
「だめ。紫乃は目離すと危険だから」
包帯を巻きながら真顔で言った葵衣を、あたしは小さく頬をふくらませてじとっとにらんだ。
こ、子ども扱いしすぎだ。
今日のことは、本当に反省してるけど……。