クールな彼の溺愛注意報




「それはだめ。っていうか……傷が治っても離すわけ、ないから」


「っ……」


「……当たり前だろ。やっと、こっち振り向いてくれたんだから」




葵衣の言葉ひとつひとつに、どきどきが止まらなくなる。



なんでそんなに、甘い言葉をささやくの。

どれだけあたしをときめかせたら気が済むんだろう。




「……そろそろ寝ろよ。ちゃんと髪かわかしてから」


「……葵衣といっしょに寝たい」


「はっ!?」




突拍子のないことを口にすると、葵衣に本気でおどろかれた。



頬の熱はまだおさまってない。

けれど顔をあげて、じっと葵衣を見つめた。




「いっしょに寝るの、だめ?」


「いやっ……なんでそんないきなり?」


「だって……1週間も葵衣と離れててさみしかったし……」


「……っ」




素直な気持ちを言ったあたしに、葵衣が顔を赤くさせる。



だめ……かな。うん。

いきなりだし、明日も学校あるもんね。



葵衣の手から包帯の巻かれた左手をどけようとしたら、その前に、抱き寄せられた。


その拍子に、はらりと頭の上からタオルが落ちていく。



 
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