クールな彼の溺愛注意報
お弁当をしまって、あたしはぽかぽか陽気のなか伸びをした。
相変わらずあたしの左手には包帯が巻かれていて、お弁当も葵衣がつくってくれてる。
洗濯やそうじはできるようになったけど、料理は葵衣の担当だ。
でも、葵衣の料理の腕がすごすぎて、けがが治ってからあたしは復帰できるのかが不安だ。
まったく食材に触れてないから腕もなまってるだろうし……。
そう思うと葵衣ってやっぱりすごい。
負けてられないなぁ、と思っていると、葵衣のスマホが着信音を流しだした。
「ごめん。ちょっと」
「あ、いいよ」
葵衣がひと言ことわってから、スマホを耳にあてた。