恋、しちゃいました。
「あ、あの…」
やはりためらう早瀬。
「遠慮しなくていいから。
こんな暗い中女子一人で帰るとか
危ないだろ」
そういうと、
「あ、ありがとうございます…
じゃあ、お言葉に甘えて…」
ちょっと申し訳なさそうな声で言った。
そう言えば、こいつんち門限厳しそうだったな。
「だいぶ遅いけど、
急いで帰らなくてもいいのか?」
「あ、大丈夫です、今日はお父さんがご飯作ってくれるので」
ん?ご飯?
「いつもは早瀬が料理してるのか?」
「はい、うち、母がいないので…」
この前は、門限じゃなくて
ご飯の準備のために焦ってたのか…。
「そっか…大変なんだな」
そう言って、
俺が作れる料理ってなんだろうと考えてたら、
「先輩は、兄弟とかいるんですか?」
と、早瀬が聞いてきた。
「…弟がいる。
早瀬とおんなじ学年。」
「え!?誰ですか!?」
ちょっとおもしろいなと面白いなと思って
「…秘密、探してみて。」
なんて言ってみた。
「わ、わかりました…」
早瀬はちょっと悔しそうな顔をしていた。
まあ、同じ学年だし、すぐ見つけると思うけど…。