いつも恋して・・・

第1章

留学を終えてアメリカで遊んでいた、大手企業の社長の息子廉(25歳）が、父親の会社の事業新規開拓のため呼び戻されて日本に戻ってきた。



空港には黒服の警備が廉を待っていた。



財閥の1人息子は社長のNo.2として専務を務めることになる。



翌朝、廉は社長の迎えの車に一緒に乗り会社に向かう。



「何でこんな朝早くから行くの？！昨日着いたばっかりなんだから少しは休ませてよ・・・」



車の中で廉はひとしきり文句を言っていた。



到着と同時に車のドアが開き、



「おはようございます＝３」




社長を出迎える秘書達が玄関に列を作って頭を下げている。



廉は社員達に挨拶を返す事もなく社長の後をわずらわしそうに歩いた。



社長室に入った廉はグルリと部屋の中を見回して・・・・



「広～い！！格好いいね！」



遊ぶ事しか頭にない廉には会社や肩書きはブランドにしか見えない。




山内梨佳子32歳入社10年目のベテランOL（現在社長担当秘書）



「おはようございます。」



社長に夕方までの予定を読み上げた。



「山内さん・・・今日はこいつに付き添って彼の仕事用の服など必要な物を揃えて明日か



らまともな格好で出社できるようにしてやってくれ！」



社長はソファーに深く腰掛けながら梨佳子に言った。



『この馬鹿そうな息子をどうやって・・・』



そう思いつつも、



「分かりました。」



返事をする。




梨佳子は廉を部屋に案内した。



専務の部屋は秘書課の奥の部屋で、秘書課の全部の広さと同じくらいの大きさで社長室よ



りは狭いながら、かなりの広さ。



秘書課を通り抜ける時、秘書課の女の子達は社長の息子とあって色目満開でなめ回すよう



に上から下までチェックしていた。