いつも恋して・・・
父親の顔を真っ直ぐに見た。


「1週間後に梨佳子が帰ってきます。」


廉は父親の言葉を聞いたとたん、


一番聞きたかった言葉だったにもかかわらず、頭の中が真っ白になった。


『梨佳子が本当に帰って来る・・・』


『どんなにその言葉を聞きたかっただろう・・・』



「娘にはアナタとお会いしている事は話していませんが・・・・」


「アナタがもしまだ娘の事を思ってくださっているのなら・・・」


廉の目には、うっすらと涙が浮かんできた。


廉は慌てて涙をぬぐった。



「ありがとうございます・・・m(_ _)m」


廉は頭を下げた。


「娘を・・・梨佳子を迎えてやっていただけますか?」


「・・・・もちろんです(TOT;)」


父親は廉に自分のハンカチを差し出し廉の肩をポン=3と叩いた。


廉と梨佳子の父親はそれから食事をし、初めてお酒を酌み交わした。


店を出て・・・


「ありがとうございましたm(_ _)m」


廉は車に乗り込んだ父親に何度も何度も頭を下げた。


車の中からニッコリ笑いながら手を振って父親は去って行った。


車が去った後も廉は頭をスグには上げなかった。



自分の車の迎えが到着した。


運転手がドアを開け、


廉は乗り込もうとしてから、もう一度去った車の方を振り返って、


『ありがとうございます。』


梨佳子の帰りを知らせてくれた父親にありがとう・・・とつぶやいた。


父親を送り届けた伊藤も廉と同じくらい深く頭を下げた。
< 243 / 257 >

この作品をシェア

pagetop