いつも恋して・・・
廉は慌てて梨佳子の前に立ちはだかり強く肩を掴む。


「もう・・・離れないで!!」


「俺の側にいてよ!!」


「・・・・。」


梨佳子はヨロヨロと廉に倒れ込んだ。


「どうしてよ・・・」


梨佳子は抱きしめられた廉の背中を叩きながら大きな声で泣き出した。


廉は梨佳子を強く抱きしめ、


「お前がどんなに離れても俺が無理なんだ!!」


息ができないほど泣き続ける梨佳子が泣きやむまで廉は抱いていた。



もう一度車に乗せて・・・


車にエンジンをかけた。


行き先は・・・


2人で過ごしたマンション。


梨佳子の荷物を右手に転がしながら、左手には梨佳子の手を握り締めて部屋に入った。



ソファーに座らせて・・・


梨佳子と同じ目線で、


「お帰り・・・・」


廉は優しく言った。


「・・・・。」


梨佳子の頭はまだ整理がつかないまま、


廉は梨佳子の腕を引き寄せた。



「何か言って・・・」


「・・・・。」


何を話していいのか・・・


「何か飲む?」


梨佳子は首を横に振った。

< 251 / 257 >

この作品をシェア

pagetop