ツンデレ君の虜。【完】
ツン猫君の特別。
休み時間。



「槙谷。」



そう私を呼ぶのは生徒指導先生だった。



「先生…? 私、また何かしましたか…?」




私がびくびくしながら聞くと先生は笑い、



「違う違う。担任の先生に聞いたぞ? お前が実行委員長やりたいって聞かないって。」




怒られるわけではなかったため、安心する私。



「先生。私、できますよね…?」




そんな私の問いに先生は私の肩をたたいて



「実行委員長は皆の道標だ。胸を張らずにどうする?」



そんな先生の言葉に



「はい!!」



私は元気良く答えた。







私が職員室を出た時だった。




目の先に映る…二人の姿。





「岬と…あ…」




岬と仲よさそうに話しているのは…あの部活の時にいた女の人。





「最近、部活に来ないけどどうしたの?」



「すみません…用事が重なってしまって。」



「そっか…私、岬君のこと待ってるからね?」



「はい。」




そんな会話を交わす二人には何か特別なものを感じた。



「っ…」



これ以上聞いてると自分がおかしくなってしまう気がして…



私はその場を去った。





岬の表情。



前見た時も思ったけど…今日、近くで見て確信がもてた。




私に対する気持ちとは違う…




岬は確かにあの女の人に特別な感情を持ってるって。






ただそう気づいただけなのに…





「うっ…」




こんなに嗚咽が漏れるのはなんでだろう。
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