ツンデレ君の虜。【完】
「奈留…何、その暗いオーラは。」



「うう…だってさぁ…」



私は今、雛の机の近くでうずくまっている。



「てか、いい答えなんて聞けるわけないでしょ?そんな状況じゃ。」



「そうだけど!言葉が出ちゃったんだもん…」



私はそう言いため息をついた。





『ごめん。俺、亜美さんのことはよくわかんないけど…お前の気持ちには答えられない。』





そう岬は私の告白をばっさり切った。



私は頭を鈍器で殴られたような衝動を受けながらも



『そ、そうだよね~私こそごめん。』




と明るくとにかく笑って返し…



それから話題を変えたりしてなんとか学校まで二人で来たのだ。



「まぁ…そんな気まずい状況で、話題を変えて楽しく話したあんたらもすごいけど。」



「だってフられたから逃げるなんて性に合わないし…」



私がそうぶつぶつ言ってると予鈴が鳴った。



私は立ち上がると自分の席へと向かった。



もうすでに…岬は席にすわって本を読んでいた。



相変わらず誰とも関わらないで。





てかさ…



「私、岬のこと好きだったんだ。」



私はぽつりとつぶやいた。



初めて知った。



あの時、口に出したとき、初めて気づいた。




てか自分の想いに気づく前に告白するなんて…



「私ってバカ正直というか…本物のバカ…??」



そんな風に自分の頭を疑うようになってしまった。



そうしていると。



「お前…さっさと席着いたら?」



と声をかけてくれる岬。



いつも通りに無愛想な顔で。



岬は…今まで通り私に普通に接してくれる。



「はーい。」



だから私も朝のことは忘れよう!…うん。




そう少し揺れている心に誓う私だった。
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