ツンデレ君の虜。【完】
「へぇ~?奈留も電車通学なんだぁ~」



「そうだよ…」



私ははぁとため息をついた。



期待して振り返った自分が本当にバカみたいだ。



…いや、私は本物のバカだ。



「いや~本当に運命…」



「違うから。」



「もう…本当につれないなぁ…」



なんかどんどん高山の言動パターンに慣れた気がしてきた…









そんな時。




「…!」




とてつもない人の視線を感じた。




恐る恐る後ろを見てみると…




その視線は私に向けられたものではないことを知った。




「かっこいいね…!」




「見たことないよね…あれ、○○高校の制服?」




そんな女子の声が聞こえてくるのだ。




その言葉も視線も全て…








「あ~やっぱ転校初日ってドキドキするね~」




そう屈託のない笑顔を向けてくるこの男へのもの。




これ以上いると変な噂がたつ…そう恐れた私は




「あ、あっちの車両のほうが人少ないし移動するわー」




と棒読みになりかけながら言い、その場を去ろうとする…が。





私はその行動を高山によって止められてしまった。



「僕、引っ越してきたばっかで、ここのこと何も知らないんだけど…」




そう言うとニコリと笑い



「まさか何も知らない土地に来たばかりの僕を取り残すなんて言わないよね?」




そう聞く高山は。




有無を言わせないような黒い笑みを浮かべていた__
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