ツンデレ君の虜。【完】
「…げ。」



「岬!一緒に帰…」



「断る。」



岬はそう言うと私の横をすりぬけていった。



「ちょっと!最後まで話を聞いてよ!!」



「聞くまでもない。」



相変わらずツンツンだ…!!




私は走ってまた彼の前に立ちはだかった。



「寂しいでしょ?!」



そう…岬に問いかける。



すると彼の眉がぴくりと動いたのだ。




これは反応があった証拠…!!




「図星でしょ!それに一人で寂しくない人間なんていないし。」



「うるさい。帰る。」



また私の横を通り過ぎようとする岬。




「どうして素を見せようとしないの?!」



そんな岬に私はさけんだ。



…すると。






「はっ、ははははっ!!」



いきなり岬は笑い出したのだ。



私は驚いて固まってしまった。



岬は笑ったせいで出た涙をふいて



「お前、なんでそんなに人のことに真剣になれるんだよ?」



と問う。



「え?心配…だから?」



「へぇ。お前って相当おかしいんだな。」



「なっ…?!」



直球で返される言葉。



いきなりの岬の態度の変化に私が戸惑っていると…





「まぁ…そういう奴も悪くないな。」



といきなりつぶやきだす岬。



「…はい?」



私が聞き返すと岬は私の目の前に戻ってきて




「勘違いするなよ?俺はお前の言葉に従うつもりない。」



と一言残すと岬は立ち去ってしまった。



「ど、どういうこと…??」



バカな私は岬の言葉の意味がよくわからなかった。
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