ツンデレ君の虜。【完】
「へぇ。あれが例の高山君ねぇ。」





移動教室に着き、何とか二人から逃れた私は雛の元へ。






「もう何なの…二人とも総務委員とか言い出すしさぁ!」





私はそうさけぶと雛は





「何がそんなに嫌なのよ?高山君のおかげで岬にも嫉妬してもらえてるわけでしょ?」







…そう考えればいいのだろうか?





そうしているうちに始業のチャイムが鳴ってしまった。














授業後。




「キャンプの総務委員さん。帰りに集まりがあるので図書室へお願いします。」




先生が告げる言葉。





…もういきなり集まり?!





私は驚愕した…と言っても確かにキャンプはせまっている。





これからバンバン集まりが入るんだよね…





私は小さなため息をついた。








「奈留サン。一緒に行こう?」





「いや…図書室はさすがにわかるでしょ?」





私はそう言い高山のお誘いを断ろうとした。





…後ろから岬はずっと見つめてくるためだ。






「ああーそっかぁ…」





…ん?





何か簡単に引き下がるな…






そう思った矢先だった。












「だって僕らが初めて出逢った運命の場所だもんね?」











いきなりそんなことを言い出したのだ。






「なっ…!そんな大きな声で言わなくてもいいでしょ?!」





「えー僕、そんなに大きい声だった?」






そう言いニコニコ笑う高山。





すると。






ちっという舌打ちの声が聞こえた。





振り返ってみると恐い顔をした岬がこちらを睨んでいた。





そして私たちの横を通りすぎるとき、






「勝手に二人で行けよ。その運命の場所とやらに。」





とつぶやいて行ってしまった。






「っ…」





むなしい想いだけが心に残った。
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