ツンデレ君の虜。【完】
ツン猫君のライバル。
「奈留~」



翌日。



私は昼休み、雛に呼ばれた。




「どうしたの?」




「なんか奈留を女の先輩が呼んでるよ?」



そう言いドアの方を指差す雛。




「え…?!」



そこには亜美さんがいた。




私はあたふたしながらもドアのほうへと向かった。




亜美さんは私を確認すると




「いきなりごめんね。呼び出しちゃって。」



と謝った。



私はいえと首をふった。





「それでね…最近、岬君が元気ないんだけど何かあった?」




いきなりそんなことを聞き出す亜美さん。




「な、なんで私に…?」



亜美「だって最近、岬君ったら槙谷さんのことばかり話すのよ?」




岬が…?





「でもね…最近、上の空のことが多くて。槙谷さんと何かあったのかなーと思ってね?」





そう聞いてくる亜美さんの目は…




何か探りを入れてるような感じだった。





「いえ…私にはわかりません…」




そう答えると亜美さんは




「…そう。ごめんなさいね。いきなり変なこと聞いちゃって。」




と言い去っていってしまった。





上の空…あの岬が?




私はいつものように教室で一人で本を読んでいる岬を見た。




いつものように冷静で…端麗だ。




「私…何かした…?」




自分の行動を振り返ってみたが…




明らかに昨日のことのような気がしてきた。




…でも。




「岬が私のこと考えてるわけないでしょ。」




私はそう自己完結させるとまた席へと戻った。
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