ツンデレ君の虜。【完】
しばらくすると。



多くの足音が聞こえてきた。



「あーあ。タイムオーバーかぁ…」



高山は残念そうにつぶやくと机からおりて私を縛っていたロープを解いた。




「え…」



私はいきなりの高山の行動にあぜんとした。





「何その顔?まぁ先生とかに見つかると厄介だしね?」





そう言い完全にロープを全て解いた。




これで自由…?!





私が舞い上がろうとすると。







「あ、間違えちゃダメだよ?奈留は自由になったわけじゃないからね?」




「え?」




私は高山の言葉に固まってしまった。




「それってどういう…」





「だから。君は授業後ここに戻ってこなきゃダメだよってこと。」





「なっ、なんで…!!」





「だって奈留、僕に好きって言ってないじゃん?」





それが理由…?!と私は驚愕した。





「あと…僕のこと。誰かに言ったら…」





すると高山は笑顔を増した。








「どうなるかは…わかってるよね?」




とてつもない悪寒を感じた。





「わ、わかった…」





私はたえるしかないんだ。




この状況を。





私が何も言わなくても…誰かが助けに来てくれるまで。





だって私は高山に『好き』なんて大切な言葉、言うつもりはないから。




「はい。じゃあ解散。僕の目を盗めるなんてバカなこと考えないようにねー?」





高山のそんな言葉を背に私は教室を出た。











こうして私は…外へ出ても高山に縛られる。
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