ツンデレ君の虜。【完】
そして来たるキャンプファイヤー!



私はドキドキと胸を高鳴らせていた。



頭の中は当然、ジンクスのことでいっぱい。



なのでもちろん…






「おーい。奈留?そろそろフォークダンスだけど…」





私の最大の危険、フォークダンスが迫っていたことに気づかなかった。






「それでは男女のペアになってください。」




司会の子が言うのを合図に肉食系女子たちはお目当てに向かって走った。




そして…一番人気は。





「えーどうしても僕じゃなきゃダメなのー?」



_______イケメン転校生、高山。






「私と踊ろうよー」




女子達が群がり高山にアピる。




私がこいつの本性を教えてあげたいわ…




そんなことを思いながら見ていると。







「みんなごめんね。もう先約があるんだよー」





そう言う彼と。




…目があってしまった。




逃げようとしたがもう遅くて。





「奈留サン。おいで?」





そして私は見事に彼に捕まってしまった。





「私、そんな約束してないけど?!」





「そんなこと言わないでよ?君だって…相手なんていなかったでしょ?」





「は?!私には岬が…」





すると高山はいきなり建物の方を指した。





「お目当ての彼なら建物の中だよ?人がいっぱいで嫌なんだってー」





確かに建物の中には岬がいた。





無愛想にしながら窓から顔を覗かせている。






「ほーらね?君の相手は僕しかいないでしょ?」





なんだかバカにされたようで。






「最悪…!!」




私は高山をにらみつけた。
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