ツンデレ君の虜。【完】
数十分後、ようやくフォークダンスは終わった。




本当…「やっと」終わったよ…




岬と踊ってたらもっと気分は違っただろうけど。





高山と踊るんじゃあ…ねぇ…




「奈留サン?何?その顔??失礼だな~?」





高山がクスクス笑いながら…怒ってる。





「た、楽しかったよ?!う、うん…」





私はははっと作り笑いをして見せた。










フォークダンスも終わるとキャンプファイヤーも終盤に迫ってきた。





ついに最後の…火の舞。





小学生のキャンプの頃から火の舞を見るのは大好きだった。





あの火がくるくる回る感じ?最高に素敵。





雛は火の舞をやるため準備に行ってしまった。





雛の火の舞は最高だからね?うん。








私は一人、すわって準備が終わるのを待っていると。





隣にどすっと誰かがすわった。





「え…岬?!」





私は目を丸くした。






だってさっきまで建物の中にいた岬が隣に居るんだよ?!





び、びっくりするわ…





「もう大丈夫なの…?」





私が聞いてみると岬は無視せずに






「火の舞を見たくなっただけ。」





彼はずっと前を向いたままそう答えた。





でも。





それは間違いなくいつもの彼で。





「そっか。」




私はクスリと笑った。





そっけないいつもの岬が隣にいることが。








____すごくすごく嬉しくてたまらなかった。
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