ツンデレ君の虜。【完】
一瞬、時が止まったような気がした。




「う、嘘でしょ…?」





さっき聞こえたことが空耳のような気もしたが。





「何回も言わせんなよ。だから、好きなんだって。」





そう言い少し怒る岬だが顔は赤いまま。





そして見上げる私の目線にしっかりからめる。





そこでようやく本当なんだって知って。






「うっ…岬っ…」





私はつい涙を流してしまった。





私はどれだけ今、幸せに溺れてるんだろう。





でも…これだけは言える。





私、今…すっごく幸せ。








「ちょっ…泣くなよ。ばぁか。」




岬はそう言うとハンカチを差し出してくれた。




女子力高いなぁと思いながらも





「ありがとう…」




と私はハンカチを受け取って涙をぬぐった。








そうしていると…




何やら話し声が聞こえてきた。




もしかして…火を消しにきた先生達?!





私はさぁっと青ざめた。





実行委員長と補佐がここにいられることを知られたら。






「まずいな…おい。来い。」





「え?!」





岬はそう言うと私の腕を引っ張り走った。





っていうか…女子のバンガローと逆方向だけど?!
















まさかとは思ったが。





「で…なんで奈留がこんなところにいるのー?」





「かくかくしかじかです。」





ということで私はかくかくしかじかで男子バンガローにいます。






「ごめん…男子バンガローの方が近かったからさ…」





そう言い責任を感じる岬に私は首をふった。





「そんなことは気にしないで…いいんだけど。」





そして私はちらりと高山を見た。









私、この人といるのが嫌です。
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