ココロの記憶
「あとでちゃんと送るよ」
良輔くんがあの無邪気な笑顔で言った。
『うん、絶対に送ってね』
「わかってるって。
あ、ライブ絶対見に来いよ?」
『もっちろん』
笑顔で返事をした。
「莉夏さぁ、多谷くんと結構いい感じなんじゃない?」
良輔くん達と別れると、愛花が茶化すように言ってきた。
『そんなことないって。
ただの友達だよ?』
「そうかなぁ?
でも、さっきの様子は好意ありそうだったけどな」
愛花がにやにやとした顔で私を見る。
『愛花、考え過ぎ』
愛花の肩を軽く叩く。
「いったいなぁ。
せっかく莉夏と恋バナできると思ったのに…」
愛花が、あからさまにしょんぼりと肩を落とす。