ココロの記憶
『わかった、わかった。ごめんね』
愛花の頭を優しく撫でると、一瞬にして愛花が笑顔になった。
『なんか、騙された感じ…』
頭を撫でていた手を、思わず引っ込める。
「え?何か言った?」
愛花がわざとらしくとぼける。
『なんでもないです』
もう、愛花には敵わないなぁ。
愛花はロングのフワフワパーマが印象的な、小柄な女の子。
くるくると表情が変わり、小動物のようで、女の私から見ても可愛らしい。
そんな愛花の周りには、いつも誰かがいた。
男女問わず、皆に人気者の愛花。
ほんわかした印象を持たれがちだけれど、愛花は間違ったことはちゃんと言うし、自分の意見をしっかりと持っている子だ。
それはどんなことに対しても…