ココロの記憶
「でもさぁ真面目な話、多谷くんのこと気になってるんでしょ?」
『話してて楽しいなぁとは思うけど』
今まで、恋愛に積極的じゃなかったから、どうしたらいいのか分からないのが本音、なんだよねぇ…
愛花と空き教室に入り、良輔くんについて話す。
「莉夏はさぁ、多谷くんのこと家で考えちゃうことあるの?」
『…たまに?
あ、このこと明日話そうかなぁとかはあるけど…』
「じゃあ、多谷くんと話してる時どんな気持ち?」
『…楽しいなぁ?
結構話し合うし、飽きないから』
「じゃあ、そんな多谷くんが他の女と楽しそうに話してたら、どんな気持ち?」
まるで取り調べのように、愛花の質問が続く。
『…ちょっと嫌、かなぁ?』
「莉夏さん、答え出てるじゃん」
愛花が呆れたように言う。