ココロの記憶
『答え?』
「だぁかぁらぁ!
多谷くんが他の女と話してるところ見たら、嫌なんでしょ?」
愛花が私に詰め寄って聞いてくる。
『うん…ちょっと』
「多谷くんがその女と仲良さそうにしてると、何話してるのか気になるんでしょ?」
『まぁ…ちょっとは?』
愛花の迫力に若干押され、身体が縮こまる。
「ほら、多谷くんのこと好きになってる」
『えぇっ!?
そんな簡単に決めちゃうの?』
愛花があまりにもあっさりと片付けるから、何だか拍子抜け。
「恋愛なんてそんなもんでしょ。
ほら、そろそろライブ始まる頃じゃない?」
愛花が壁の時計を見上げて立ち上がり、ドアに向かって歩き出す。
『ちょっと待ってよ』