ココロの記憶
体育館に着くと、割と大きいはずのK高校の体育館に、所狭しと人がいた。
「予想以上に人、多いね…」
愛花が呆然と体育館を見渡す。
『うん、ビックリ。
ていうか、なんでみんな制服着て来てるのかなぁ?』
「本当だねぇ」
K高生だけでなく、M高、I学の生徒までいることが、着ている制服から判断出来る。
「この辺でいいよね?」
壁際を進み、何とか体育館の真ん中くらいまでたどり着いた。
『うん。なんかこの際、歌が聞ければどこでもいいっしょ』
愛花と肩を並べて、壁に寄りかかって立つことにした。
暫くすると、体育館のライトが消え、ブラインドが降ろされていた館内は暗闇に包まれた。
チッチッチッチッ…
スティックのリズムの後に続き、迫力のあるサウンドが響き渡った。
それと同時に、ステージが瞬く間に明るくなった。