ココロの記憶
「ベースの大吾」
「どうもー」
大吾くんは、すごい笑顔で愛想を振り撒く。
「ギターの整」
「今日はありがとう」
整くんは丁寧にお礼を言う。
「そして俺、ギターとヴォーカルの良輔。
以上4人、よろしくー」
良輔くんが笑顔を作り、体育館を見渡す。
良輔くんの視線が、私の前を通過した。
「えっと2曲目はソラ唄という歌です。
これは正志が好きなナンバー。
正志の華麗なスティック裁きが見れるから、お楽しみに〜。
じゃあ聞いてください、ソラ唄」
良輔くんの歌声が、再び体育館内に響き渡る。
その良輔くんの後ろでは、正志くんがリズミカルにドラムを叩き続けていた。