ココロの記憶
「今日はみんなありがとー」
メンバーが舞台上から手を振り、挨拶をする。
「「多谷くーん」」
「「納見くーん」」
体育館のあちこちから、メンバーを呼ぶ声が聞こえる。
「まだまだK高祭続くよ〜。
目一杯楽しんでいってね〜」
舞台上から、良輔くんが笑顔で呼びかける。
「「吉井くーん」」
「「里見くーん」」
途切れない声援が続くなか、舞台のどん帳が下ろされた。
体育館特有の照明に光が入り、体育館が徐々に明るくなり始めた。
《次のステージ発表のカラオケ大会は、13時半からです》
体育館に放送が流れ、集まっていた人達が、ゆっくりと出口に向かって歩き始めた。