ココロの記憶


『だって…どう返したらいいか、わかんなかったんだもん』

「“だもん”ってそんな可愛く言われてもねぇ」

愛花が頭を抱える。


「…取りあえず“ライブ良かったよ”くらいは送るべきでしょ」

愛花が溜め息混じりに言う。


『でも…』

「“でも”じゃない。多谷くん、絶対莉夏からのメール待ってるって」


愛花に促されメールを作成する。


『これでいい?』

作成したメールを愛花に見せる。


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To:多谷 良輔

ライブかっこよかったよ!
メールありがとね。

莉夏
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「んーなんかあっさりしすぎなんだよね」

愛花が私の手から携帯を奪い、勝手に打ち始める。


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