ココロの記憶
これが私達の出会い。
偶然同じバスに乗り合わせて、少し話をしただけ。
ただそれだけだった。
その日を境に、学校で少しずつ彼を見つけることが多くなった。
でももしかしたら、知らない人が多い校内で、知ってる顔に目がいっていただけなのかもしれない。
それでも、移動教室の時に廊下ですれ違ったり、登下校のバスが同じになったり。
話す回数も、話す時間も徐々に増えていた。
最初は挨拶程度だった。
でも、「今からなに?」と授業の話しをしたり、今日の学校の話をしたり、昨日のテレビの話をしたりと、話す内容もバラエティーに富んでいった。
そんな私達の仲が急速に進展したのは、その年の学園祭だった。