《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
そんな時に店の扉が小さく開いた。
「あの、おはようございま〜す」
扉の後ろから顔を出したのは、一子だった。
「あれ? 一子ちゃん、おはよう。嬉しいな。朝から来てくれたんだ」
歩が嬉しそうに一子の所まで、飛んで行った。
ーーー朝から何の用だ?
秀馬も首を伸ばして、一子の方を見る。
何故か秀馬は、柱に隠れるようにして2人の様子を見ていた。
「あ、もしかしてイモ天?」
ーーーあ、おれが昨日、お礼はイモ天でいいって言ったから、早速作って来たのか?
秀馬の顔が思わずほころぶ。
「はい」
この前より大きなタッパーを歩に渡す一子。
「ありがとう! 嬉しいよ。この前、また食べたいって言ってたの覚えててくれたんだ〜」
歩の言葉を聞いて、秀馬の顔から笑みが消えていった。