《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

「そうでしょうか? 私は、なんだかこの動物の座り方といい、作者の意図があったような気がします」

確かに一子が言う通り、どの動物も少し右に傾いた感じで足を畳んで座っていた。

「あ〜、みてみて!」
三津子が馬と牛、ねずみを並べると、ぴたっと背中が隙間なく合わさる。


「お〜、裏の字は?」
歩の提案で、三津子が三匹を一気に持ち上げる。

覗き込んだ一子。
「t’ai?」


「俺、英語苦手なんすよねー。さっぱりわかんねー」
歩がお手上げというように、両手を上げた。

「なんかのさぁ〜呪いの言葉だったらどうする?」
縁起でもない事を言い出す三津子。


「そんなこと言わないの!」
縁起の悪い置き物を既に購入してしまった秀馬に気を使うような言い方をする一子。


ーーーなに? 呪い? 確かに可愛いわけでもない置き物だ。だが、呪い? そんなものを集めかけていた俺って……。

途端に顔色が悪くなる秀馬。


「やだなぁ、おにいさん! ジョークじゃん。信じたの? ウケるんだけどぉ」

ケラケラ笑う三津子の言葉も耳に入らなかった。苦笑いしながら秀馬は、手にしていた山羊の置き物をテーブルに急いで置いた。
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