《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

「それよりさ、あんた一子姉の知り合い? 」
三津子が歩に近づいて、歩の顔をジロジロ見た。もう、呪いの置き物には興味をなくしたようだ。


「どうも〜、一子ちゃんの妹さん? 俺、所沢 歩。姉妹で、かっわい〜よねー握手」
歩が右手を出した。


歩の出した手を見ながら三津子は、自分も結構軽い感じなのに、歩の軽さには抵抗があるらしく手を出そうとしなかった。
「かるっ! ノリ軽くない? イケメンだけどさぁ、一子姉に全然合わなくない?」


「三津子! 失礼だから」
あまりに不躾な三津子に慌てる一子。


「おにいさんもそう思うよねー?」
何故か三津子が秀馬に話を振って来た。

ーーーなんで、俺に話を振るんだ? 俺にどう答えろと?

「いや……歩は、俺の後輩だ……軽い奴だが、仕事は真面目にやる」

歩をフォローするように秀馬は、答えていた。

「ですよねー、安心してよ。俺、ちゃら男じゃないから。これでもトップスタイリストだからね〜」


歩を無視して、三津子が秀馬の方をきっと睨むようにして向いた。
「あ〜〜! つくづく馬鹿だね〜。おにいさんって」


「馬鹿?」

「三津子!何言ってんのよ」
秀馬にも失礼なことを言い始める三津子の腕を引っ張っる一子。


「そ、敵に砂糖を送ってどうすんのよ! この馬鹿」
やはり、三津子は秀馬に言っているらしい。

ーーー敵に砂糖? それじゃあ、甘すぎるだろ。塩の間違いだ。わざとなのか? 天然か? しかし、馬鹿に馬鹿と言われて、俺はどうすりゃいいんだ?

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