《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「甘いってことよ! そんなのもしらないの? ったくさぁ〜、やってらんない。こんなの」
1人で力んで、勝手に疲れ果てている三津子を歩も一子も不思議そうに見ていた。
秀馬だけは、複雑な気持ちで三津子を見て頭を混乱させていた。
ーーー勝手に怒っている。まるで、俺が悪いみたいだ。なんで、こうなる?
その後、店を閉めた一子と三津子は一緒に帰っていき、秀馬と歩の2人は近くの立ち飲みバーで、一杯飲んで行く事にした。
秀馬的には、どっと疲れてしまい帰りたい気持ちだったのだが、歩にどうしても……と誘われ仕方なく付き合うことにしていた。
立ち飲みバーは、結構サラリーマンやOLで繁盛していたが立って飲むだけなので、立つスペースさえあれば一杯位はどうにか飲んでいける。
混んでいるせいで店内は外の寒さが嘘みたいな暑さだ。
コートを脱いでも置く場所も無いので、多少の暑さは我慢しておくことにした。
「お疲れッス」
「お疲れ」
生ビールで乾杯して、他の人が使っている小さな丸いテーブルに軽く会釈してからジョッキを置かせてもらう。
店の壁に貼ってあるメニューを読んでいると、歩が急に話を振ってきた。
「秀馬さん、俺、前にも言いましたけど、一子ちゃんのこと本気なんで」
歩が真剣なのは、その目から伝わってきていた。