《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
★いばら
★いばら


歩が一子を気に入り、結婚するなら一子みたいな子がいい。と言っていた事を忘れていた訳ではない。

「わかってる」
歩に答え、ビールを飲んだ。

ーーーまずい。久しぶりに飲んだビールは、苦いだけだな。


「良かったぁ。俺、秀馬さん相手だったら勝てる気にならないッスよ。はあ〜ドキドキしたなぁ〜」
胸を押さえる歩。


「なんで俺が……勝手に誤解すんな」

「すいません。ホント」

ーーー歩は、素直ないい奴だ。単純だけど、憎めない奴だ。


「……安心しろ。そうだ。歩。今度の土曜日、俺の代わりにお前が休め」


「へ、イイっすけど……外せない予約でも入りました?」

「いや、俺の代わりにお前が教えてやればいいって思ってさ」
週末にヘアカットの仕方を教えると一子と約束していたことを歩に話した。


「お前だって、トップスタイリストだし。俺でなくても事は足りるだろ」


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