《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
13日の金曜日の朝。
その昔ちまたで流行った映画をどうしても思い出してしまう日だ。
早めに店に着いた秀馬は、バックルームの棚の上に並んだ。白い置き物を手にした。
急いで、犬の腹を確認する。
「あった! mだ。猫の方には……」
猫の腹にも文字がちゃんと書いてあった。
「eだ……」
一子の店にあった置き物と合わせれば何かの言葉になるのかもしれない。もしかすると、他にもまだ揃えないといけない置き物があるのかもしれない。
ーーーあの妹が言う通り、揃えて不吉な文字だった場合もありえる。
窓の外では、雷が急にゴロゴロと言い出していた。
ーーー家を出る時は、晴れていたが……。
秀馬は、どうしたものかと思いながらも2つの置き物をとりあえずバッグに入れることにした。
13日金曜日に相応しく、激しい雨が降り出しスタッフたちは皆びしょ濡れになって店に着き始めていた。