《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

急な大荒れな天気のせいで、客は少し減っていた。


「秀馬さん、クリスマスパーティーは、誰か同伴するんすか?」

「あ? あ〜パーティーか……」
奥で次の予約客をヘアカラーする準備を整えている時に歩が話かけてきた。


ーーーすっかり、新店舗の準備に追われて忘れていた。

aubuの関東支部では、毎年忘年会の代わりにクリスマスパーティーを行なっている。

今年は、品川にあるホテルのホールを借りてやることになっていた。
各スタッフは、一名のみ同伴してきても良いことになっている。関東支部だけでも加盟店、直営店合わせ23店舗あるので
総勢1000人近く集まるビュッフェタイプのパーティーになる。


「決めてない。歩は?」


「一子ちゃんですよ。もちろん」
予期してなかった訳じゃない。むしろ、歩の答えは読めていたはずだ。
それにもかかわらず、秀馬の心は動揺していた。


「……で、来るのか?」
ヘアカラーのサンプルを整理しながら、秀馬は歩を見ずにさりげなく聞いた。

< 120 / 342 >

この作品をシェア

pagetop