《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「もちろんっすよ。この前のデートでOKもらいましたから。抜かりないっすよ〜」
「……そうか」
歩は、今時の若者であり、見た目もイケているし、会話も上手い。言葉使いはイケてないが女の扱いも慣れてるし、結構マメな奴だ。
ーーー歩にかかったら、きっと普通の女は落ちるだろう。
ヘアカラーのサンプルを持ったまま秀馬は手を休めていた。
寝ている一子を自分の肩にもたせかけたことを思い出していた。眠っている一子は、本当に穏やかな表情をしていた。
ーーー幸せそうに寝る奴だよなぁ。
秀馬は、首を回しポキッと関節を鳴らした。
仕切りのカーテンが開いて、受付スタッフが困惑した顔を見せた。
「失礼します。あの、秀馬さん、週刊マンデーの前園さんからお電話が入ってますけど…」
「週刊マンデー? なんで?」
不思議そうに歩が秀馬の顔を見た。